インタビュー

特別対談:OTOTOY×mora qualitas

2020.04.06

特別対談:OTOTOY×mora qualitas

【ハイレゾ配信サイトototoyにて掲載中の記事より冒頭部分抜粋】

特別対談 : mora qualitas × OTOTOY ── 音楽体験をより良質に、より簡単に、2020年代の音楽配信



昨年10月にスタートした、高音質ストリーミング・サービス、mora qualitas。CDと同等のロスレス音源から、24bit / 96kHzまでのハイレゾ音源を気軽にストリーミングにて聴き放題というサービス。現在多くのサブスクリプション・サービスが圧縮音源でのストリーミングをおこなっているなか、ロスレス以上の音質のストリーミング・サービスは、国内発としてははじめてとなる。そしてOTOTOYは2018年9月より国内初となるユニバーサル・ミュージックのロスレス音源(ハイレゾ音源も)を配信開始するなど、それまでにも国内インディ・レーベルの音源のロスレス配信を積極的に推し進めてきたダウンロード・サービスでもある。この事実が示すように、ストリーミングとダウンロードと、サービスの種類は違えど、ふたつのサービスの根幹はとにかくより良い音を届けたいという部分が共通している。ストリーミング・サービスやダウンロードがもはや普通のものになった2020年、良質な音楽体験を提案すべく本記事をお届けしよう。ふたつのサービスから、mora qualitas事業グループを代表して黒澤拓、そしてOTOTOY代表取締役の竹中直純による特別対談だ。

写真 : 沼田学
取材 : 河村祐介

対談 : 黒澤拓 × 竹中直純

──まずはmora qualitas、設立の経緯を黒澤さんにお教えいただきたいのですが。

黒澤拓(以下、黒澤) : レーベルゲート内で、ダウンロード・ビジネスでやってきた音楽をより良い音でという活動を、より広く届ける方法は他にないのかと模索するようなプロジェクト・チーム…… というよりもまだ勉強会レベルの集まりがありました。その勉強会で海外や国内の状況、ハードの状況を鑑みながら、そういったさまざまな議論のなかで、次なる手としてハイレゾ、ロスレスのストリーミング・サービスという構想が固まっていったという感じですね。なので、もともと「ハイレゾのストリーミング・サービスを作るぞ」ということでプロジェクトがスタートしたわけではないんですよ。とはいえ、その勉強会からはじまって、最後まで一貫したものがあるとすると、いい音をより多くの人々へ届けるというビジネスをやるということで、その手段として、いまのビジネス・モデルが考え出されたという感じですね。

竹中直純(以下、竹中):良い音を届けるという根本的な部分は、消費者にとってすごく良い議論ですよね。でもその良い議論がどこで行われているのかが、会社名やブランド名が多く出てくるので読んでいる方々にはいまいち解りづらいかもしれないので解説してもらえないでしょうか。

黒澤 : レーベルゲートはソニー・ミュージックのグループ会社のひとつで、社の設立の経緯としては音楽のデジタル・ディストリビューションを担うため、そのためにソニー・ミュージックをはじめとして複数のレーベルが株主として出資し、設立された会社ですね。ソニー・ミュージックのなかでデジタル配信を専門にやってきた会社です。なので音楽のデジタル配信の課題を考えるとか、そういう素養がある。ここにはmoraというダウンロード型の配信サイトもあります。

──でもややこしいですけど、mora qualitasはmoraのあるレーベルゲートとは別会社なんですよね。

黒澤 : そうですね。本社であるソニー・ミュージックのサービスになります。ソニー・ミュージックの新たなサービスとしてスタートさせたわけですね。

──日本は欧米に比べてストリーミングの参入が遅かったり、イメージ的にわりとレーベルは消極的な雰囲気はありますが、さらにロスレス、ハイレゾというのは、当時はまだ無かったことを考えると大変だったんじゃないでしょうか?

黒澤 : すでにApple Musicなどのサブスクリプション・サービスがスタートした後でしたから、その部分での理解は進んでいましたね。加えて海外資本のレーベルはそもそもストリーミングに対して抵抗感がなく、国内のレーベルにしても前向きでした。ストリーミング・サービスは外資系が多いなか、国内のソニー・ミュージックがそれをやるということを評価したいという声をいただいたこともありましたね。

竹中:それは2017年ですか?

黒澤 : そうですね。そこから2018年にかけて。

竹中:少し古い話ですが、2005年、ナップスタージャパンの立ち上げに関わった当時、ネットの海賊ファイルがまだ多かった時期なので、「このままだと海賊盤がファイル共有という形で流通してしまっていて、お金が生まれない」と音楽産業全体が危機感いっぱいな状況でした。なのでナップスターの公式の聴き放題サービスは、レコード会社的にはマイナスになるぐらいならゼロを作るというような状況でした。それが2017年だと、今度はゼロの状況からプラスの状況を起こそうという流れになっていたという構造ですね。そういう意味では本質的にその存在感は違いますよね。

黒澤 : そうですね。国内外のサブスクリプション・モデルがすでにプラスの存在として認められているなか、そこからさらにひとつ上の音質のサービスを作ろうというところですからね。

竹中:さらに海外でサブスクリプション・サービスがそれなりにレーベルやアーティストのお金になっている状況があって、その雰囲気が日本の音楽業界にも受け入れられたのは大きかったんでしょうね。

黒澤 : そういう意味では、僕らが動き出したタイミングもちょうどよかったのかなと思いますね。メジャーの音源はほぼ契約できています。あとは国内外のインディ・レーベルを開拓していくという感じです。基本的にレーベルからの反応としては前向きな感じがしますね。やはりストリーミング・ビジネスが上り調子になっているのは大きいんじゃないかな。音源のデリバリーのチャンネルも、すでに他のストリーミング・サービス用のものが用意できているので追加投資も必要ない場合が多いと思います。

 

以下、2人の対談の見出しのみ掲載

◆ストリーミング・サービスの継続性

◆“普通の人”に良い音を届けるというのが重要だと思っていて

◆デバイスの変化と高音質ストリーミング・サービス

◆フォーマットもその時代のインフラや受け手側のストレージ容量などに合わせてアップデートされるべきだと思う

◆AACが具体的にどんなテクノロジーなのかもっと知って欲しい

 

※全文はototoyにて掲載中(外部サイトへ遷移します)

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